脊柱菅狭窄症に対する【マッサージ・鍼灸・機能訓練を解説します】
公開日:2021年 5月15日
更新日:2021年 5月15日
ここでは脊柱菅狭窄症について解説いたします。
脊柱菅狭窄症とは(病態)
簡単に言うと、、、
背骨の中を通っている管(脊柱管)が、様々な要因によって圧迫されます。
それによって中の神経も圧迫されてしまい、神経の血流が悪くなってしまった状態です。
代表的な症状
腰から下の神経に症状がでます。
具体的には下記の症状です。
・腰、お尻、太もも、ふくらはぎ、足に痛みが出る
・足がしびれる
・足に力が入らなくなる
・一般的には両側に症状がでることが多い
・ひどくなると、排尿障害(頻尿、残尿感、出が遅い)が見られる
【特徴的な症状】
・間欠性跛行(かんけつせいはこう)
200〜500mの歩行で上記の症状が悪化しますが、椅子に座る・体を前かがみにするなどすると症状が和らぎ、また歩けるようになります。
なぜ腰から下に症状がでるのか?
これは神経が圧迫されたときの特徴的な症状の出方です。
圧迫された神経部分から、その神経の流れに沿って痛みやシビレがでるのです。
原因
50歳以上から徐々に増え始めます。加齢や、体を動かした時の繰り返しかかる腰部への負担によって、脊柱管が狭窄されるため発症します。
(背骨が変形したり、椎間板が膨らんだり、黄色靭帯が分厚くなります)
反り腰の癖がある人は、狭窄が助長されるため、症状が強く出やすいです。
なぜ腰を反ると悪化し、前かがみになると楽になるのか?
それぞれの姿勢で、どれくらい脊柱管が圧迫されているのか?が症状のでる目安になります。
下記の図は、前かがみ・立位(歩行時)・反り腰の時の脊柱管のイメージです。
原因は、背骨の変形や椎間板の膨らみ、黄色靭帯が分厚くなる、などがありますが、脊柱管狭窄症で悩んでいる方のほとんどは、腰まわりの筋肉が異常に固くなってしまい、常に反り腰のような状態で生活していることも少なくありません。
実は、ここに治療ポイントが隠れています。
治療方針
大きく分けて4つあります。
1.腰骨(腰椎)が反って固まっている状態を ▶▶▶ 真っ直ぐな状態になるよう伸ばす
2.骨盤が前に傾いている状態を ▶▶▶ 骨盤が真っ直ぐな状態になるよう緩める
3.お腹まわり、お尻まわりの筋力を ▶▶▶ 意識しなくても使えるよう機能訓練
4.背中の骨(胸椎)が固まって動かない状態を ▶▶▶ 緩めて柔軟性UP
1〜4が改善していくと、痛み・シビレ・歩行距離に改善がみられていく可能性が高まります。
《補足》
1.について・・・PLFテスト陰性化を目指す
2.について・・・緩める筋は腸腰筋、大腿四頭筋、内転筋群、大腿筋膜張筋
・・・ハムストリングスと臀筋の強化
3.について・・・体幹筋群と臀筋群の強化
4.について・・・胸椎後弯の改善
徒手検査
《徒手検査》
・腰、足の神経痛や筋力テスト
・腰骨(腰椎)の柔軟性テスト ※重要!
・足先の血流テスト
・腰骨の前側の筋肉(腸腰筋)、太ももの前と内側、股関節の拘縮テスト
《用語説明》
徒手検査・・・関節がどれくらい動くか、特定の動作で痛みがでないか?体を実際に動かして評価をすることです。
治療時のチェック
・痛み、痺れの度合いチェック
・腰骨(腰椎)の柔軟性テスト(PLFテストといいます)
手技
・マッサージ、指圧(筋肉を緩める)
・ストレッチ(筋肉を伸ばす)
・モビライゼーション(関節を緩める)
・鍼灸(深部の筋肉を緩める)
これらを用いて、背骨や腰骨、骨盤まわり、股関節の柔軟性を出すことで反り腰を改善し、症状の緩和を目指します。
機能訓練
4つの場所を鍛えることで、症状の緩和と、歩行機能の改善を目指します。
・お尻(臀筋群)
・太ももの裏(ハムストリングス)
・お腹まわり(体幹)
・背中(背筋)
治療成果の指標
・歩行距離
痛みやシビレなどが、どのくらいの距離で出てしまうか?を測定します。
・歩行可能分数
痛みやシビレなどが、どのくらいの分数を歩くと出てしまうか?を測定します。
本人の訴えだけでなく、数字でしっかりと治療成果を追っていきますので、変化の良し悪しがはっきりと分かります。
以上、脊柱管狭窄症の対応方法でした。
実際には、年齢や認知症の有無、他の症状の有無、手術の有無などで、どの程度の治療を実施していくかは一人ひとり違います。
手術を受けたほうがよいケースももちろんあるので、その場合は手術を受けて頂き、その後、術後の手技療法でのリハビリを実施していきます。
上記の対応をベースに、オーダーメイドの施術プランを組み立てますので、もし脊柱管狭窄症でお悩みでしたら無料体験がオススメです。お気軽にお問い合わせください。
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